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信用保証協会の保証付き融資とプロパー融資の違い!返済不能と代位弁済

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銀行(信金等も取扱いは同じです)の融資は、大きく分けて「保証付き融資」と「プロパー融資」の2種類があります。

簡潔に表現すると、
「保証付き融資」とは?→ 保証会社の保証が付いた融資
「プロパー融資」とは?→ 保証会社の保証を付けずに、銀行が直接貸し付ける形態の融資
となるのですが、

以下で二つの違いについて詳しく説明していきます。

保証付き融資とは?

銀行ではお金を融資した会社・個人を「債務者」と呼びますが、債務者が倒産や失業、あるいはそれが原因で自己破産したり、返済を滞らせたまま失踪するようなことがあったら、銀行は融資したお金を回収することができません。
(融資したお金を回収できなくなることを「貸倒れ」といいます)

銀行は、預金などでお金を集めて→ 利息を付けて融資して→ 利息と一緒に回収することで成り立っている会社です。

当然ながら、貸倒れの恐れのある相手には融資をしません。

そのため銀行は、仮に債務者が返済できなくなった時に債務者に代わって返済してくれる保証人を付けることを求めます。

しかし、誰だって保証人になるのは敬遠します。また、その借入を保証人が返済することができるのか?ということを、保証人の収入や資産などから審査します。

ですので、せっかく保証人になってくれる人を見つけたとしても、必ずしも銀行が認めてくれるとは限りません。つまり、人間を保証人とすることは(これを人的保証と言います)かなりハードルが高い訳です。

そこで、銀行が認めてくれる保証人を探すことが難しい中小企業などのために、保証会社が保証人になるのが保証付き融資なのです。

 

保証会社が保証人になる保証付き融資

保証会社が保証人になるとはどういうことなのでしょうか?

保証会社として代表的な「信用保証協会の保証付き融資」を例に挙げて説明していきます。

信用保証協会とは?

『信用保証協会は、信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)に基づき、
中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。
事業を営んでいる方が金融機関から事業資金を調達される際、信用保証協会は「信用保証」
を通じて、資金調達をサポートします。
47都道府県と4市(横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)にあり、各地域に密着した
業務を行っています。』
JFG 一般社団法人全国信用保証協会連合会 ホームページより引用

民間の保証会社も存在し、民間保証会社の保証付き融資もありますが、銀行などの金融機関では、公的期間の「信用保証協会の保証付き融資」が一般的です。

銀行から見る保証協会付き融資

銀行は、公的機関である信用保証協会という保証会社が保証人になることで、貸倒れのリスクを回避できることになります。(詳細は後述)

したがって中小企業や創業して間もない先、個人事業主といった、銀行から見てあまり信用力が無い相手=まだ体力がついていない先に対しても、信用保証協会の保証付きなら融資を行うことができるのです。

債務者から見る保証協会付き融資

保証付き融資を受けるためには、信用保証協会に「保証料」という名目でお金を支払います。

人的保証が難しく、まだあまり信用力が無い中小企業が銀行から融資を受けるために、信用力のある保証会社に自分の保証人になってもらう。その対価としてお金を払う訳です。

この保証料というものは、保証付き融資の手数料であると同時に、万一自分が返済できなくなった時の一種の保険料とも表現できるものです。

こうした信用保証協会の保証付き融資のことを、銀行では「マル保融資」略して「マル保」などと呼んでいます

銀行の融資取引は、まずマル保融資からスタートして数年間取引したのち銀行にも信用されるようになると、保証会社含む他人の保証がつかないプロパー融資を借りられるようになるのが一般的な流れです。

なぜ最初は保証協会保証付き融資なのか?

1,債務者は「借りやすい」

マル保融資の最大のメリットは融資が受けやすくなる点です。

人的保証が難しく、まだあまり信用力が無い中小企業が銀行から融資を受けるために、信用力のある保証会社が保証人になってくれる。

保証人がしっかりしているから銀行は融資をしてくれる、

という訳で債務者にとって借りやすい形になります。

2,銀行は「貸しやすい」

銀行にとって貸しやすいというのは、保証人がしっかりしている=貸倒れのリスクが無いということで、この貸倒れのリスクが無い仕組みが「代位弁済」と言われるものです。

保証付き融資は「保証会社が保証人になる」と書いたとおりで、万一返済できなくなった時には、保証会社が借入を全額立て替えて完済します。

これが代位弁済です。銀行では略して代弁(ダイベン)とも呼んでいます。

銀行から見れば、代弁してもらえば貸した金の回収は終わるため、貸しやすくなる訳でうs.

※実際には、代弁では全額回収されないケースや、いろいろな理由で信用保証協会が代弁してくれない「代弁否認」のケースもあります。

信用保証協会の保証付き融資は取りっぱぐれの無い融資

今度は、代位弁済を実務的な面から説明していきます。

信用保証協会の保証付き融資の場合、次のような状態になると、銀行は代弁を検討します。

例えば
・借入の返済が何ヶ月も滞る(「延滞」)
・不渡り・銀行取引停止処分や差し押さえ
・犯罪など刑事罰を受ける・失踪、死亡など(不渡り等とともに「事故」)
*( )内は銀行での状態の呼称

そして、いよいよ返済不可能なことがはっきりすると、銀行は信用保証協会に対して代位弁済の手続きに移ります。
また債務者がこうした代位弁済の対象になることを「代弁適状になる」といいます。

銀行から代位弁済の請求を受けると、保証協会は各種調査・手続きのうえで、問題が無ければ、数ヶ月後には協会が保証した借入を、全額立て替えて完済します。(代位弁済すると表現します)

代位弁済が終われば、当然ながら銀行の債務は無くなりますので、この時点で銀行は回収が終わった、ということになります。

上記のように銀行にとってマル保は、プロパーのような回収の手間が無いと言えます。
つまり、例えば
・債務者、保証人に対して長い時間をかけて返済を迫っていく。
・回収のために不動産を売却させる。
・場合よっては差し押さえなどの法的手段に訴える。
・最悪の場合は裁判に訴える・・・

などといった手間も時間もかからず、かつ確実に貸した金が回収できると言える訳です。

言葉を変えて表現するなら、信用保証協会の保証付き融資は「取りっぱぐれの無い融資」であり、銀行は融資をしやすくなるとも言える訳です。

返せなくなった後が違う信用保証協会の保証付き融資とプロパー融資

今度は借り手・債務者側から見た場合、借りた金が返せなくなったらどうなるのか?を説明していきます

信用保証協会の保証付き融資の場合は再生の余地を残して貰える

信用保証協会の保証付き融資では、借りた金が返せなくなった場合、信用保証協会が借入を全額立て替えて完済してくれます。

ここまでは先に書いたとおりです。

もちろん代位弁済をしてもらって銀行からの借入が無くなっても、借金がチャラになるわけではありません。

今度は立て替えてくれた信用保証協会に対して返済をしていくことになります。

(注)あくまで債務者が「任意整理」「自己破産」などの法的手段は行っていないというのが前提です。こうした法的手段をとった場合、銀行は依頼を受けた弁護士や司法書士などの専門家との間で法的手続きを踏んでいくので、これから書いていくような流れにはなりません。

代位弁済の手続き後は、あなたに対する銀行からの取り立ては無くなります。

この後、一般的には信用保証協会からは厳しい取り立てはありません。

もちろん信用保証協会の担当者は、最初は「可能なら全額、すぐに払ってください」と言うそうです。

しかし、債務者と今後の返済について交渉をしていく中で、例えば「毎月1万円しか返済できない」と申し出があれば、協会は原則その条件で返済をさせてくれるそうです。

決して厳しい取り立てはされません。

それはなぜか?

公的機関だから?もちろんそれもあります。

でも実際にはもっと現実的な理由・からくりがあるからです。それは「信用保険制度」です。

信用保険制度を簡単に説明すると「保証協会が保険に入っている」ということです。

債務者がマル保融資を借りた時、つまり信用保証協会から見れば、
「協会が債務者の保証人になった」時、保証協会は、その保証した金額に見合った保険に加入します。

具体的には、日本政策金融公庫に「信用保険制度」の保険金を支払うのです。

そして、債務者が代位弁済となった場合、信用保証協会は自らが保証した金額の、7割から8割を保険金として日本政策金融公庫から受け取る。

これが大まかな流れです。

したがって実際は、最低限保険で補填されたあとの残額について回収すればいいわけで、つまりは上に書いたように緩やかな条件でも返済に応じてくれると言う訳です。

信用保証協会の保証付き融資は無担保借入が多いので、もし自宅や工場が無事であれば事業を再開することも比較的実現性があると思われます。

もちろん、代位弁済を受けたという事実は、銀行とその提携する信用情報機関に登録されるので、銀行から新たに融資を受けるのは当分の間不可能でしょう。

当面はさまざまな障壁もあるが、何とか再生に向けた道は閉ざされずに済む、と言うのが代位弁済後のよくある債務者の状況です。

プロパー融資の場合はマル保融資と比べて厳しい現実になる

では、プロパー融資の場合はどうでしょうか?

プロパー融資の場合、当然ながら銀行には代位弁済などの押さえがありません。

従って、融資金が返済できなくなった場合、何とかして債務者本人や保証人から取り立てない限り、銀行は融資金を回収することができないということになります。

こうしたことからプロパー融資のことを
「直接融資(古い表現で直貸=ジカガシ)」や「信用貸(シンヨウガシ)」などと呼ぶこともあります。

債務者と保証人に対する取り立ては、当然ながら厳しいものになります。
※なお銀行では「取り立て」という言葉は使いません。「回収」「督促」等を用います

また、プロパー融資を貸す前に、債務者や保証人が不動産を持っていれば、融資をする条件として不動産を担保にするのが一般的です。

特別な優良企業でも無い限り、銀行が無担保でプロパー融資をすることはありません。

債務者が返済できなくなった場合、銀行は不動産を売却して借入を回収しようとします。

担保不動産の売却には、一般的に次の2種類があります。

任意売買(略してニンバイ):
債務者主導で一般的な不動産取引と同じように売買する。

競売(キョウバイ・ケイバイ):
銀行が主導となって債務者から不動産を差し押さえした後で、買主を募集して強制的に売買させる。

一般的には任意売買のほうが高く売れます。

ただし「足元を見られる」という言葉があるように、こうした担保不動産の売買では一般的な不動産相場よりもかなり安い金額で買い叩かれることになります。

仮に、値段が高い方の任意売買ができたとしても、銀行が融資金全額を回収できることはまず不可能なのが実態です。

こうしたことから、現在銀行では不動産担保があっても、実際はそれほど当てにできないというのが実情なのです。

それも加味して、現実的な結末はどうなるのか?というと。。。

担保にしていた工場や、自宅まで売り払ってしまった。しかし売った金では足りず、借金はまだ残っている。事業を再開する場所も、元手も無い。住む家も失った。

債務者は借金の返済ができないうえに再生の目処も無い。銀行は、債務者・保証人から資産を全て出させても、融資金の全額は回収できない。

最悪、債務者は自己破産や一家離散となり、銀行には「不良債権」が残る。実際、よくある顛末です。

プロパー融資のメリット

もちろんプロパー融資にもメリットはあります。例えば
・プロパー融資の方が比較的短時間で、低コスト(保証料が不要)で資金調達できる
・銀行からプロパー融資を受けていることで会社の信用度が増す
などです。

また最近の銀行では、現場の最高責任者である支店長に対し、以前と比べてかなり大きく融資面での裁量権が与えられるようになってきています。

銀行サイドも、審査のコンピュータ化、格付・事業性評価等のそれぞれ銀行独自の審査手法に基づき、積極的にプロパー融資を推進するように方向転換しています。

以前のように、マル保融資から始めて数年間返済をきっちり続けて、業績も維持したら不動産を担保に入れてやっと銀行がプロパーを貸してくれるようになった、といった事例はだんだんと少なくなってはきています。

しかしながら、やはり事業にリスクはつきものであり、未来・将来の予測が困難な現在では、「借金が返せなくなった時」のことを考えるのは重要なことだと言えます。

仮に銀行側からのプロパー融資提案だったとしても、あくまで返済していくのは債務者であり、返済が不可能になった場合、特にプロパー融資には厳しい現実がある点は変わっていません。

そうした「いざという時」の面で信用保証協会の保証付き融資とプロパー融資の違いを考えて融資にのぞむことも必要だと言えるでしょう。

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